江戸小紋 趣味のきもの竹うち

本場・石川県よりお届けする 加賀友禅・牛首紬

江戸小紋

江戸小紋のルーツは武士の裃にあります。全国から集まる大名の裃の染めを行うようになり、江戸の各地に産地が形成されました。
質素倹約の名のもとに奢侈禁止令が継続的に発令され、着物の布地や染め色まで幕府から指定された江戸時代、
大名といえど派手な色や、柄のついた着物を着ることができません。
そこで、一見無地に見える細かな柄を施し、その柄を独自に考案することで各藩の差別化を図り留め柄としました。
これを「定小紋」といい各藩の武士たちはこぞって藩専用の留柄を裃に使って、権力を誇示しました。
なお、江戸小紋では、同じ柄では柄が細かいほど格が高いとされています。
極端に派手さを抑えられた職人たちは、色数を抑える一方で柄の細かさにシノギをけずり、
型紙や型彫りの技術向上とともにその精緻さが増しました。

江戸小紋という名前は昭和30年、故・小宮康助氏が国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された時、京小紋、加賀小紋などと区別するために名付けられたものです。


densan_logo1.jpg江戸小紋は昭和51年6月東京染小紋(とうきょうそめこもん)として国の伝統的工芸品に指定されました。


指定要項


1 色彩及び図柄は、小紋調とすること。
2 型紙は、柿渋を用いて手漉和紙をはり合わせた地紙又はこれと同等の地紙に彫刻したものとすること。
3 型付けは、手作業により柄合わせすること。
4 地染めは、引き染め又は「しごき」によること。
5 なせんのりは、もち米粉に米ぬか及び食塩等を混ぜ合わせたものとすること。
◆生地は、絹織物とすること。



当店では小紋三役をはじめ、万筋、定小紋や、小桜、むじな菊、青海波など、
ラフすぎない柄を選び、重宝な着物としてお薦めしています。


小紋三役


角通し・行儀・鮫は小紋三役と呼ばれています。

通しと行儀
角通しと行儀は似たような柄にみえますが、
角通しは、小さな点を縦横に垂直並べた柄、行儀は点の並べ方が斜めに行儀良く並んでいます。

kakudoosi_250+200.jpg角通しは縦にも横にも筋を通すという意味を持っています。gyougi02_250_200.jpg行儀はお辞儀が斜めに体を曲げることに由来した柄といわれています。

samekomon_205+200.jpg「鮫」は徳川8代将軍吉宗の生家の紀州家が用いた柄で、扇形の模様を斜めに組み合わせ、鮫の肌に見立てています。 鮫はその硬い皮から、身を守る「厄除け」の意味を持つと言われています。


「極」とは細かいという意で、「極」「極々」のように使う。さらに細かくなると「微塵」といういいかたもあります。

極は、3㎝四方に900個以上の穴が明けられており大変細かい文様です。


毛万筋


keman_250+200.jpg万筋は江戸小紋の中でも型付けに至難の技が必要な究極の柄です。
縞は洒落物と云われ、太い縞、濃淡のはっきりした縞は、カジュアルとしてお召しになるのですが、この縞は紋の入れられる格の高い着物です。(お茶の世界では縞は粋という観点から、「限りなく無地に見えるなら可」というくらいの捉え方らしいので避けたほうが無難なようです。)

縞を染める型紙は、染める時に縞が動きやすく壊れやすいので、「糸入れ」といって、あらかじめ型紙を2枚にはがし、重ねて彫ってからその間に絹糸を張り、ずれないように柿渋で張り合わせるという作業が施されています。
縞の細さと数により、千筋・万筋・毛万筋・極筋とよばれます。

きまり彫り

(縞彫りの規格で、一寸(約3Cm)の中に必要な縞の数。)
譜立割:23本    ニタリ筋:22本    極毛万筋:21本    毛万筋:20本 
並毛万筋 :19本    極万筋:18本    上方筋:14~15本
万筋:12~13本    大名筋:10~11本


特撰バナー1.gif 36本極毛万譜立割

「新小石丸繭」から繰られた世界最高糸[21中 6A]を100%使って織られたブランドシルク『新小石丸』に、神業と言われる新作縞[36本極毛万譜立割]を染めたお品です。
[南天文様]を額取りに染め上げた共八掛付き。


特撰バナー1.gif 中村勇二郎

kokoro_205+150.jpg

【中村勇二郎作 心】
人間国宝・中村勇二郎は「道具彫り」を極めた名匠です。
道具彫りというのは、伊勢型の彫り方の一つで、模様の形の彫刻刀を使用して紋様を押し抜く方法で、その道具は彫師が自分で作り上げたものです。
中村氏の手作りの彫刻刀はゆうに三千本を超えたといわれます。


定小紋(裃小紋)

大名家が各藩の裃柄として定めた小紋柄を定め小紋といいます。
定小紋(裃小紋)は、いわゆる家紋と同じで、一つの大名家に一つ以上あったと思われます。

「松葉」 徳川家    「極鮫」 徳川御三家、松平家    「御召十」 徳川将軍家    「変わり鮫」 秋田藩 佐竹家
「通し」 信州戸田家    「青海波」 土佐藩 山内家   「武田菱」 武田家     「菊菱」 加賀前田家
「胡麻」  肥前鍋島家   「霰(芸集霰)」  安芸藩 浅野家   「変わり大小霰」 阿波藩蜂須賀家
「大小霰(あられ)」  薩摩藩 島津家    「梅鉢」 肥後 細川家

いわれ小紋

江戸中期になると、小紋は時のファッションリーダーともいえる
歌舞伎役者が好んで着るようになり、経済力をつけてきた町人に広がります。
その柄は、動植物や日用品を図案化したものや、
江戸っ子の庶民感覚にあったユーモアたっぷりの柄が生み出されました。


伊勢型紙(伊勢形紙)

伊勢型紙は、着物を染める為に使用される文様を切り抜いた特殊な和紙で、型地紙と呼ばれています。

densan_logo.gif昭和58年4月 伝統的工芸品に指定されました。


指定要綱

技術・技法
1 「法造り」には、「紙裁ち包丁」を用いること。
2 「紙つけ」には、柿渋を用いること。
3 「枯し」は、「自然枯し」又は「室枯し」によること。
4 型彫りは、「錐彫り」、「道具彫り」、「突彫り」、「引彫り」又は「縞彫り」によること。
5 「糸入れ」を行う場合は、生糸を用いること。

原材料
1 型紙に用いる紙は、手漉のコウゾ紙、ミツマタ紙若しくはガンピ紙又はこれらと同等の材質を有するものとすること。
2 柿渋は、4年以上寝かしたものとすること

伊勢型紙の彫刻技法

縞彫(引彫)

「しまぼり」
型定規と呼ばれる鋼の定規に小刀をあて、手前に引きながら縞柄を彫る技法です。

糸入れ

伊勢型紙を彫るための柿渋紙は和紙を2~4枚柿渋で張り合わせたものですが、糸入れとは、型紙の張り合わせた部分を2つに剥がし、間に糸を入れ、張り合わせて元に戻す技術の事を言います。
最近では「紗張り」という型紙に漆や樹脂で紗と呼ばれる細かい網を張る技術がありますが、縞彫りなど一部の型だけは、今でも糸入れを行います。、 

突彫

「つきぼり」
「穴板」と呼ばれる小さな穴の開いた板の上に5~8枚程重ねた型紙を置き、針のように細く鋭い小刀を垂直に突き立て、上下に動かしながら彫り進みます。

道具彫

「どうぐぼり」
2枚の鋼を曲げて組み合わせて菱・角・花びら等の形を作った刃先を持つ「道具」で打ち抜く彫り方です。
職人は、何百本という柄に必要な「道具」から選んで使い、なければ、その道具を作って彫刻にとりかかります。

錐彫

「きりぼり」
紋の型紙技法の中でも古い技法と言われており、最近では真円の錐を使うことも多いですが、本来は半円筒形の刃先を、朴の木の板に置いた地紙に垂直に立て、回転させることにより一つの丸い穴をあけ、その連続で柄を作って行きます。
鮫・行儀・通し・アラレ等の伝統的な柄がこの技法で作られます。


伊勢型紙重要無形文化財保持者

昭和30年2月指定

南部芳松(突彫)  六谷紀久男(錐彫)  児玉博(縞彫)  中島秀吉(道具彫)   中村勇次郎(道具彫)   城之口みゑ(糸入れ)